Zyklon B. Zombies: Gaza will never die

Zyklon B. Zombiesの名前は、スロビング・グリスルの曲からとられたもの。Zyklonは、ナチがユダヤ人ホロコーストで用いた毒ガスだ。もともとスロビング・グリスルがこの曲名にどのような意味を込めたのかということとは別に、この名前が今この時代に意味することは、世界中のあらゆるホロコーストの犠牲者たちは、その加害者の意図に反して、決して死ぬことはありえない、ということを意味している。ホロコーストの犠牲者であったユダヤ人のごく一部が、シオニズムのイデオロギーを背景に、イスラエルの建国以来繰り返してきたパレスチナの人々への迫害が、とりわけ、ガザというアパルトヘイトを生み出してきたのだ、ということ、そして、イスラエルが何度も何度もガザへの越境軍事攻撃を繰り返してきたこと、これらを想起することなく10月7日のハマースの理不尽な攻撃を語ることはできないだろう。この作品は、ガザでパレスチナの人々を根絶やしにする暴力のさなかに、演じられた。ノイズがいかに暴力的な音の表象であるとしても、この暴力は、断固としてホロコーストの暴力にもあらゆるファシストの暴力にも与しない。むしろ殺されてさえ、なお生き延びる者たちの魂の力そのものでありたいと願っている。

録音:2023年11月4日 前衛行為音楽祭 at 村門(富山)